2008年11月27日木曜日

ホン(脚本)も書いてる坂手さん

坂手さんが、今日、盛岡にいらっしゃるという。

坂手さんというのは、東京の劇団「燐光群」主宰の
著名な演劇人のお方である。

今度、12月14日に盛岡劇場メインホールで
公演「戦争と市民」があり、
その告知宣伝活動に、主宰自ら一人で
全国まわって歩いているのだそうな。

午前中に、制作の古元さんから届いた
メールのスケジュールによると、
お昼に到着し、(財)盛岡市文化振興事業団(後援)の
N沼さんと合流して、盛岡タイムスさんと、
岩手日報学芸部さんの取材、
ラヂオもりおかさんの番組生出演。
そして、そのまま東京へ日帰りの
強行スケジュールだという。

実はもう、東京では舞台が始まっていて公演中で、
盛岡のほかには、仙台、名古屋、福岡、伊丹
でもこの公演は行われる。
女優の渡辺美佐子さんなども出演される、
注目度の高い舞台である。

そして、盛岡の制作協力の一人として、
なぜか私がここに名を連ねているのである。

・・・の割には、これといってまだこれまでに
たいしたお手伝いもできていない。

燐光群さんからは、これまでの坂手さんの作品の
戯曲集が届いたり、
今まさに行われている芝居の台本が
どんっ、と送られてきたり、
今まさに行われている舞台の写真が送られてきたり、
いやなんか、私、ほんとあのー、
そんなモノいただいちゃっていいんですか?的な
恐縮している今日この頃だったりもしたのだが、
なんかねぇ、少しは「協力」したいじゃないっすか、
ちらしに名前が載ってるからには。
ていうかあのー、


「ナマ坂手さんにご挨拶したい」


というのが、正しい絶賛系的ミーハー道ですよ。
あたりまえじゃないですか。だってミーハーなんだもん。
40代半ばで日本劇作家協会会長っすよ?
日本演出者協会理事っすよ?

「これまでに岸田國士戯曲賞、鶴屋南北戯曲賞、
読売文学賞、紀伊国屋演劇賞、朝日舞台芸術賞、
読売演劇大賞最優秀演出家賞などを受賞(パンフより)」
なお方ですよ?

そんなお方に、おでって職員とか何とかの肩書きなしで
「さわのといいます」と、ご挨拶できるんですよ。
(実を言うと、昔、おでって職員だった頃、
ぺーぺーのいち職員としてのご挨拶はしているので、
わたし的には、一方的に知ってて初対面ではない)

いやー、ミーハーにもなるってもんですよ。

で、取材・公演宣伝ということであれば、
芝居を作っている本人の口から直接、
送られてきた脚本の舞台についてのお話が
そばで聴けるってことじゃないですか。
うわ、なんてゼイタクなシチュエーション。

と、いうわけで、古元さんとN沼さんにご了承をいただき、
この宣伝活動に同行させていただいたのである。


いやー、面白かった。


いや、何が面白かったって、もちろん坂手さんの
毒舌炸裂トークが面白かったのは言うまでも無いが、
それとはまた別に、
ラヂもりさんの番組出演の前にDJさんと
軽い打ち合わせがあったのだが、
宣伝資料を見ながらDJさんが、


「・・・・・ホン(脚本)もお書きになるんですねぇ~」


と、坂手さんに言ったのが、新鮮な反応で感動した。
演劇関係者や観客からは、
まず決して出ることはないだろう質問である。

例えて言うなら、
奥田民生に「作詞もされるんですねぇ」、
村上春樹に「小説もお書きになるんですねぇ」、
爆笑問題の二人に「漫才もやってらっしゃるんですねぇ」
と言ってるのを聞くくらいのインパクトがあって、
私とN沼さんはそばで見ていてものすごく感動していた。

いやー、やっぱね、宣伝というものは、
ふだんその環境に全くない人に質問させるのが、
一番視聴者や読者に伝わりますよ。うん。

が、ここに書いて、その面白さと感動がきっと、
演劇関係者にしか今、共有できていないかと思うと、
このときばかりはつくづく演劇のマイナーさ加減が
残念でならない。

舞台の内容については、また今度。
ここ数日中の岩手日報夕刊や
盛岡タイムスは要チェックです。
(皆さま、本当にどうもありがとうございました)

番組の最後に坂手さんは、キレイなDJさんに
「とても素敵な声ですね」
と言われて、ちょっと、照れていた。

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燐光群盛岡公演
「戦争と市民」

作・演出:坂手洋二

日時:2008年12月14日(日)14:00開演
場所:盛岡劇場メインホール

料金:一般前売2700円(当日3000円)、
    大学・専門学校生、65歳以上1700円、
    高校生以下1200円

    (燐光群の公演としてははっきりいって、
     出血大サービスな破格値です。
     ちなみに東京では前売3600円、当日4000円)

プレイガイド:いわてアートサポートセンター、
     プラザおでって、喫茶てあとる、カワトク、
     大通佐々木電気(あと、私も持ってます)

ご予約・お問い合わせ:燐光群/(有)グッドフェローズ
TEL:03-3426-6294
http://www.alles.or.jp/~rinkogun/sensoutoshimin.html#Anchormorioka

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2008年11月26日水曜日

健康的痩身希望

先日の循環器科の外来の時から、
どうも小骨が喉にひっかかってるような思いが残っていた。
それが、氷解した(ような気がする)。

トレッドミルの検査結果を見て、
「運動不足」と、一蹴したA孫子先生が、
心臓病だからって全く動かないのも身体に悪いんだから、
と言って、最近俺も自転車乗ってるんだけどね、
などと世間話をしながら、


A孫子 「運動して、もっとお腹を空かせて・・・」


・・・・・ん? 別に食欲不振じゃないんだけどな?
胃薬も昔ほどしょっちゅう飲まないし。
と、思いつつ、話の流れでそのまま聞き流してきた。
が、そんな発言の意図がふと閃く(←勝手な憶測)。


A孫子先生と二度目の入院で出会ったときが、
私の人生における体重のピークである!
(20代前半で入院した頃より10キロは確実に多かった)


だから、先生にしてみれば、
退院して外来で診始めてから私は一年で
7~8キロほど、見るたびに痩せていく。

危険な患者っぽいな。

しかも、心臓の調子が・・・とか、
外来に来ると、この患者はいつも何かと心配性だし、
心労で身体も動かさず、食欲もなく・・・
毎月不健康に体重が落ちてって、大丈夫なのか?
と、内心思われているに違いない。

しかし、私にとっては、これまでがあまりにも
不健康な生活過ぎて、急激に体重が増えただけで、
今は、元々の体重に
徐々に戻りつつあるに過ぎない。
(むしろ、まだ多いくらいだ。ていうか最近時々ヤバい)

いやまあ、確かにうちの中にずっといたりすると
「別に朝ご飯いらないなー・・・」「おやついらないなー」
って思うから、当たってることは当たってるんだけど。
でも、そんなに不健康そうなのかなー。

とはいえ、K林先生なんかは、入院して会って第一声、
「・・・太った?」
だったけど、きっと、F崎先生も、新N先生もきっと、
心の中では同じことを思っていたんだろうなー・・・。

健康的に痩せて見えるようになるには
どうすればいいんでしょうね。


あ、運動か。

って、だからこれから冬の季節、何をすればっ。

2008年11月20日木曜日

モノ・オペラ「声」公演情報【その2】

※ただ今作成中のフリーペーパー記事より

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主人公は、実はこんなことを歌っている

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「私があなたにお芝居をしている? 私が!
私を知っているでしょう? 
私は自分を抑えて我慢することはできないのよ」  

「私は気狂いになりたかった、
そして気狂いじみた幸せが欲しかった」

「もしあなたが私を愛していなくて、
そして器用な人だったら、
電話というものは恐ろしい武器になるところだった。
痕跡も残さず、音も立てない、そんな武器に」
  
「それはね、私がたった今、あなたに嘘をついたからなの。
電話で15分前から、私はあなたに嘘をついているの」  

「でも、わかって欲しいの、私苦しいの。
この電話線が私たちを結び付けている最後のものなのよ」

「今、私には吸える空気がある、
あなたが私に話しかけているから」

「もしあなたが心の優しさから私をだましたなら、
そして私がそれに気づいたら、
私はそのことで、あなたにもっと愛情を抱くでしょう、と」

「神様、彼がかけ直して下さいますように、
神様、彼がかけ直してくださいますように、
神様、彼がかけ直して下さいますように・・・」

「私、首に電話線のコードを巻いている。
あなたの声を首に巻きつけている」

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さて、今回のオペラ。
男に捨てられ、多量の睡眠薬を飲んで
昏睡状態に陥っていた一人の美しい女が、
昏睡から目覚め、

待ちわびていた男からかかってきた電話に向かって、
延々と45分くだをまき続ける(?)オペラ
・・・と、言ってしまえばミもフタもないわけですが、

訳詞(翻訳:柳沢由起子)を読むと、
さすが詩人、ジャン・コクトー。
美しい台詞があらゆるところにちりばめられています。

そして、こういった恋愛心理というのは、
恋する女性(男性も?)の
王道中の王道をいってるのではないでしょうか
(ちょっと危険なところもありますけどね・・・)。

遠い存在のようなオペラの主人公が、
少し身近に思えてきませんか?

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モノ・オペラ「声」公演情報【その1】

さて、昨日も書きましたが、
図書館とネットカフェにこもっています。

まだ、収支予算案すら作成してない状態ですが、
ただ今、私がナニをここで作成してるかといいますと、

八時の芝居小屋公演「モノ・オペラ『声』」
(右のサイドバーを参照ください ※11月20日現在)
の、公演情報フリーペーパーの作成です。
文字情報だけの、軽易な輪転機モノ(予定)です。
(大もとのちらしは既に出来上がって、
配布開始になっています。デザインの木村さん、多謝!)

そろそろ、印刷して流さないとな、と焦ってるところで、
とりあえずは、一部分をここに掲載したいと思います。

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はちしばオペラ・・・を観に来ませんか? 【その1】

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もりげき八時の芝居小屋、通称「はちしば」。
盛岡で10年以上続いている、
地元・盛岡演劇人による舞台企画です。

今回、こちらの制作委員会プロデュースで、
初めてオペラを取り上げることにしました。

出演は、岩手音楽界を誇るプロの声楽家と
ピアニストのお二方ですが、
それを支えるプロデューサー(私)は、
未経験どころか、ズブのオペラ観劇素人です
(だって、入場料高いんですもの・・・)。

ならば、そこを逆手にとってしまいましょう!

ふだん、そこそこ盛岡で演劇に
慣れ親しんでいる私ですら、
こんなに敷居が高いと感じる
「オペラ」なるもの。イメージとしては

「派手!」

「人いっぱい!」

「声でかい!」

「演技過剰!」

「ナニ言ってんのかわかんない!」

「観客がハイソな感じ」

「・・・ナゼ、声楽家はみな体格がいいのか?」

というところ。
普段クラシック鑑賞ですら全く・・・と言う方に至っては
「敷居」どころか、「そびえ立つ壁」
みたいなものではないかと推察されます。

そんな方々にも興味を持っていただくには、
私のようなシロウト目線からの、
このオペラの公演内容を
お伝えすることから始めるべきなのではないだろうか?
そう、考えたわけです。

普段「ネタバレ」などというものに
デリケートである芝居の世界にいるわけですが、
ありがたいことにオペラは、
「全部ストーリーを把握してきてから観たほうが、
より楽しめるよ」
が基本のようです。

ストーリーを知った上で、
今回の舞台の出演者や演出の仕方を楽しむという、
いわば歌舞伎や落語と同じですね。

まあ、あまりベラベラ説明しすぎるのも
「野暮」って気もしなくもないですが、
今回のオペラは、
シンプルな50分程度の一人舞台ですし、
せっかくなのでこれを機会にちょっとだけ、
私の知った「オペラ」そして、
今回の「モノ・オペラ『声 ~La voix humaine~』」
について、何度かに分けて
お伝えしていきたいと思います。

公演までの2ヶ月の間、
しばしのお付き合いを願えれば幸いです。

「モノ・オペラ 声」担当プロデューサー
          ◆沢野いずみ(盛岡絶賛系)

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2008年11月19日水曜日

「MUGO・ん・・・色っぽい」

盛岡弁研究所、第二弾です。
今日、ぼんやり風呂に入ってるときに、
破壊的な訳詞ができる歌を発見しました。

でも、かなりディープなので、
これが全部わかって笑える人は、
よほどのネイティブかと思われます。
(いくら盛岡生まれでもこれは、
若い人には、ほとんど外国語かと)

個人的にはぜひ、松本源蔵さんと小野寺瑞穂さんと、
畑中美耶子さんとおきあんごさんのどなたかに
赤字添削指導をして欲しい。
あと、菊池幸見アナウンサーとか。
(↑ 盛岡弁(南部弁)指導や舞台で有名な方々)

で、なんで連日こんなブログを
アップしてるかというと、
ただ今、八芝1月の制作事務仕事をしようと、
ネットカフェに来てるんですが、
なかなか進まなくて、毎日現実逃避です。


仕事しろってな。


あと、「いくじなし」と「さびしがり」の
盛岡弁のわかる方、募集中。

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「MUGO・ん・・・色っぽい」

作詞:中島みゆき
作曲:後藤次利
 歌 :工藤静香
翻訳:盛岡絶賛系


言(そ)われねぇのス 言(そ)われねぇのス

言(そ)いてぇ事(ごと)だば
なんぼだり ほんでくてねンたけ 溢れでら

おれハァ 心(こごろ)ば せわすねぇんちゃ

言(そ)いてぇごとだば
おめはんには あどからあどから 溢れでら

おれハァ 意外(いげぇ)に せわすねぇんちゃ

ンだっとも いざとなったば おしょすぐなる
遠いどごがら なんぼも 声ば かげてたんども

まなぐとまなぐで 通じ合う
ぺっこばり んだ 色っぺぇ

まなぐとまなぐで 通じ合う
そったな 仲さ なりてぇむしぇ

MUGO・ん いくじなし だぇん
MUGO・ん さびしがり だぇん

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2008年11月18日火曜日

「赤いスイートピー」「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」

先日ご紹介した相馬弁研究所の、
相馬弁ヒットメドレーが、周囲でかなり大うけし、
そこで必ず話題になったのが、

「これ、盛岡弁で誰かやってくれないかなー」

と、いう事だった。
「誰かやって」じゃなくここはやっぱ、私が先陣をきって!
・・・・・と、思って色々画策してみたのだが、

これ、意外と難しいよ!?

まず、ある程度誰でも知ってる有名な歌で、
サビの部分に印象的に盛岡弁が乗りやすくて、
歌詞の語数にうまく盛岡弁を合わせられる曲。

んもう、選曲の時点でハードル高っ。

影武者所長、すげぇ。

そんなわけで、構想からずいぶん日にちが経ってしまい、
なおかつ季節感まるで無視になってしまったが、
途中でちょっと挫折。

もっと上手く訳せる方、ご一報ください。

こういうの、こんさんとか上手そうだなー。
「気が弱い」と「素敵な人」の盛岡弁ってなんだろう。


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「赤ぇスイートピー」

作詞:松本隆
作曲:呉田軽穂
訳詞:盛岡絶賛系


春色の汽車さ 乗はって
海さ 連れてってけて くなんせ

煙草のかまりっこする シャツさ
わんつかばり おっかがりてぇがら

なして
知り合った日がら 半年ば 過ぎたっども
おめはんば 手っコぁ 握らねぇ

I will follow you
おめはんさ ついてゆぐたぁい

I will follow you
ぺっこばり 気が弱いけんども
素敵な人だはんて

こごろの岸辺さ 生(お)がってら
赤(あげ)ぇ スイートピー


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「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」


作詞:阿木耀子
作曲:宇崎竜童
訳詞:盛岡絶賛系


ぺっこばりも前だったば 憶えでいたったんども
一年前だばハァ まんず わがねぇなはん

髪毛(かみけ)の長ぇおなごだばハァ
こごさば たんと いだからなっす

おもさげねんども 他ば あたってくれねがぇんすか

おめはん あの姉(あね)っコの なんだぇん?

港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ

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2008年11月14日金曜日

投書はしないけど、ブログには書いてる

医大循環器科定期外来。
最近どうもよく息切れするようになって・・・
と、半月ほど前にトレッドミル検査
(ベルトコンベアの上を歩いて、心電図と血圧測る検査ね)
をしてもらったのだが、
検査の結果、息切れの理由は、


運動不足。


と、結論付けられる。

A孫子 「心拍数が170~180とか上がっても、
      血管の狭窄もないし、普通の人より
      ちょっと心臓の動きが弱いくらいで問題なし!」


運動不足ですか・・・。


運動不足って言われてもねぇ、
今さらナニ運動すればいいんだっていうか。
ていうか、けっこう動いてるよねぇ?私。
あ、そうでもないか、
ふざけたイベントしてる時くらいか、よく動いてるのは。

さわの 「あー、でも私、運動しているときに心筋梗塞って、
      なったことないんですよね、そういえば。
      心筋梗塞の理由の殆どはストレス由来だから」

切ない私の現実。


A孫子 「次の外来は・・・5、6週間後だと、
      お正月前でけっこう込むんだけど・・・いい?」
さわの 「あぁ、私は本持ってきて(待ち時間に)読んでるんで別に。
      ・・・大丈夫ですよ、『2時間待たされた』とか
      投書したりしませんから(笑)」
A孫子 「してもいいけどね(笑)」

いいんですか。心が広いな。
私だったら「こっちだって、好きで待たせてんじゃねーよ!」
とかってムカつくけどな。
(ま、投書がきっかけで改善のために
病院が動き出したりもするからね、いいんだけど)

帰り際に、一階の掲示板の
投書とその回答コーナーを見ていたら、
これまでは、苦言とか要望ばっかり掲示してあったのに、
今回は、入院中お世話になった感謝の投書が、
いくつか掲載されていた。
個人的には、こっちの方が読んでて気持ちがいいですな。

まあ、バランスの問題っていうか、
褒めてばっかりの掲示で偏ってても気持ち悪いけど、
そうよね、投書って、感謝を書き綴ったっていいんだもんね。

2008年11月11日火曜日

初代モンスターと寿命の気配

先日、主治医だったK地先生と入院時のことを書いたら、
その後、当時の様々な状況が洪水のように思い出されて、
一人いるときにしばし、情緒不安定になりかけた。

もうなんか、今、目の前にK地先生が現れたら、
感情のブレーキも効かずに
大泣きしちゃいそうな勢いだった。

この、おでってオープン時に就職したことと、
二度目の心臓の緊急手術、
そして、その5年前の入院時の出来事は、
その後の7年間の全力疾走のような、
ぴんと張り詰めたゴムひものような
精神状態の日々に紛れ、
なかなかゆっくりと思い出されるような事ではなかった。

ああ、私、あのころ大変だったよな・・・。

と、思ったら、なんというか、たまらない気持ちになった。
最近、かーるさんに久しぶりに会って、
20歳前後のころの事を思い出したり、
マーブル局公演を観て、
ID公演の頃を思い出したりとか、
前職の事業の、
おでってリージョナル劇場を観にいって、
「あぁ、私はここで7年間鍛えられたんだな・・・」
と、感慨深くなったりとか、
人生が走馬灯のように思い出される日々が続き、


・・・・・もしかして、寿命?


と、密かに戦々恐々としている今日この頃である。

それにしても、K地先生。

たぶん、これまでにお世話になった主治医の中で、
一番、人間として見られたくない姿を見られている、
主治医のトップであろうと思う。

なによりまず、痛くてボロ泣きしてたり、
手術前で精神的にヘロヘロになってたり、
朝方の発作で、寝起きの顔で苦しんでたり、
すっぴんだし、病衣だし、風呂入れないし、
時々、鼻に酸素の管付けられてるし、
いつもベッドでゴロゴロ寝転んで本読んでるし、
血管拡張剤や精神安定剤でぼんやりしてるし、
およそ日常的でない精神状態だし、
うちに帰りたいとだだをこねるし、
「センセー、少しは世間話に付き合ってくださいよー」
って言ってたり、
もうね、ほんとね、心底ね、


今のワタクシの姿を見ていただきたい!


この、ちょっとは落ち着いた、
オトナの36歳のワタクシを!

キビキビと仕事をこなす姿を。
八芝制作委員会の会議でバリバリ発言してる姿を。
舞台公演のプロデューサーなんか
しちゃったりなんかしてる姿を。
才気あふれるワカモノ達を愛づり、支援し、
街で「あっ、さわのさーん!」なんつって、
親しみの笑顔で声をかけられたりも
しちゃってる、ワカモノ思いなワタクシを。
ときどき愉快にどんぐり拾いなんかも
しちゃってるワタクシを。

あぁっ、もうなんか、入院中の私は誤解ですっ!!

(それはK地先生に限らず、これまでにお世話になった
全医療者にたいして、声を大にして言いたい)

それにしても、医療関係者に
入院中の姿しか知られてないのって、
フェアじゃなくないっすか?!

だって、あちらはみな、仕事中の
カオでこちらと対応してるわけでしょう?
でもって、こっちは、
非日常空間なわけですよ、病院ってのは。
(病院経験豊富なこの私でさえ)

モンスター患者と呼ばれる人たちを
擁護するわけじゃないけど、
モンスターにだって、十分なりえる精神状態に
置かれる状況なわけですよね。
だって、怖いもの。あらゆることが。

もうね、絶対ね、私の印象は、
「ワガママでめんどくさい女の子」(当時)ですよ。
22歳の小娘だから「しょうがないなぁ、全く(苦笑)」
で済まされた様々な発言は、
36歳ですっぴんだったら
後ろからケリを入れられてますよ。

いやいや、さわのさん、アナタ、
この歳になっても、普段、A孫子先生の外来で、
この忙しいお医者さんつかまえてどうでもいい
世間話してるじゃないですか、
と、おっしゃる皆さん、
言っときますけどね、甘いですね。

私がA孫子先生にこれまでにかけた迷惑は、
K地先生に暴言(?)を言った
十分の一にも満たないっすね!
(↑ どんな事をしてきてるんだよ、私は・・・)

ていうか、たぶん、そんなにA孫子先生には
迷惑かけてない、と思う・・・たぶん・・・おそらく・・・。
・・・いや、年度内に二度も入院したとか、
薬がなかなか効かなくて入院長引いたとか、
昼に薬飲み忘れてよく余るとか(←おい!)、
そーんなもんだと、思うんですよ。

入院中に、
「先生、まだ仕事なんですか?! お疲れ様です・・・」
とは言えど、決して

「先生、ぜんぜん回診に来ないじゃないですかー」
「薄情じゃないっすかー」
「えー、もう行っちゃうんですかー。相変わらず冷たいしー」
とかは、このご時世、
お医者さんには申し訳なくて言えません!

まあでも、そういうことが言えて、
お医者さんともよく会話ができて、
まだ今より多少はいいご時世でした。

そういう会話できるゆとりが少しでもあって、
お互いの人となりが多少なりとも
理解できるような環境にあれば、
医療訴訟とかモンスター患者とか
いわれているような、
お互いに溝のできるような出来事も、
ちょっとは変わるのかもしれないけどなぁと、
思ったりもします。

いやまずはその前に、
つくづく、今のワタクシを見てほしい・・・。
いやほんと、マジで。