2007年2月7日水曜日

過去消滅

退院後初めての外来診療の日。
医大に赴いて診療カードを出すと、受付で
「すみません、カルテが無いので初診の受付を1階でしてきて下さい」
と、言われる。
(最近はかかりつけ医に変更したのと、
循環器センターの受診扱いに変わったから)

14歳から岩手医大第二内科を受診していて
(それまでは小児科)、
まさか今頃「初診療」患者になるとは・・・。

さわの「いやー、まさか私が医大の初診手続きすることになるとは・・・!」
A孫子「(笑)。法令(?)で決められたカルテの保管年数が
     過ぎたら処分できることになってるからね」
さわの「私のこれまでの医大の記録はもう、ないんですね・・・(淋)」
A孫子「平成7年の入院の時のは・・・うーん、残ってるかどうか
     微妙なところだなぁ。画像の資料は確実にもう無いね(断言)」


がーん。


A孫子「ま、でも、循環器センターに入院してから(7年くらい)のは全部あるから」
さわの「私には12年前なんて、ついこないだなのに・・・」

ああカルテ。
捨てるんだったら、記念に(?)欲しかったなぁ。

12年前に大きな心筋梗塞を起こして救急車で運ばれて、
救急センターで治療をしてくれた先生たちが一体誰だったのか、
一番お世話になっているのに、
いまだにわからないのが心残りだ。

2007年2月5日月曜日

「2007年版 医者からもらった薬がわかる本」

10年ぶりくらいに
「医者からもらった薬がわかる本」
を買った。

今でこそ病院で薬を処方してもらうと、
薬局でお薬情報をもらえるようになったが、
昔は、処方された薬が果たして心臓の薬なのか、
胃の薬なのか さっぱりわからなかったものである。

12年前に入院したとき、
その毎日処方される薬の量に愕然とし、
思わず主治医の先生に

「こんなに飲んで、体の中で化学反応おこして爆発しません???」

と、聞いたほどである。
何をどうしてよいものかもわからず、
とりあえず、手元の薬の包みを全部レポート用紙に貼り付け、
薬の色、かたち、飲む回数などを書き込み、
一つひとつ、先生に何の薬か聞いて書き込んでいって
資料として持ってたが、
その頃に「医者からもらった薬がわかる本」の存在を知った。

効能、副作用などなどを知るのにずいぶん重宝したが、
「この薬は高い薬で日本ではよく処方されているが、
海外では全く使われない」
みたいなことが、あからさまに書かれているのも面白く、
また、患者の無自覚に薬を飲む姿勢への意識改革など、
当時ずいぶんよく読んでいた。

この本のおかげで、
この10年ほどでかなり世間の薬の情報環境も変わったように思う。
ちなみに、この本で調べたところ、
私の今飲んでいる薬はほぼ全て
「先発医薬品」
とよばれるものである。

今、CMやニュースでよく聞く、 いわゆる
「ジェネリック(後発)医薬品」
は含まれていない。

先発医薬品の特許機関が切れて、
安い費用で同じ成分の薬を作って売ることにより、
患者が薬価の低い薬に切り替えれば、
医療費も安く押さえられる
というようなことが「ジェネリック医薬品」のCMで言われている。

実際、うちの父母のかかりつけ医で処方される薬は、
このジェネリック医薬品らしく、
1錠の値段がべらぼうに安い。

しかし、マイナーな薬で、
ほとんどの薬局では扱っていないらしく、
いつも取り寄せで時間がかかり、
薬局に迷惑をかけたりしている。

ただこの本によると、このジェネリック医薬品の中には、
先発医薬品と同等の作用を持っているかどうか、
まだ情報としての信ぴょう性が薄いものも多いらしい。

医療現場では、前述のような「供給の不安定」と
「臨床データが揃わない」 ことが、
ジェネリック医薬品が普及しない理由の一つとのこと。

例えば私の今服用している「ニコランジル」という成分の
製剤名は
「シグマート」
29.6円(1錠)×3回(1日)×28日(4週)=2486.4円

これが、ジェネリック医薬品の中で一番安い薬だと
「ニトルビン」
6.4円(1錠)×3回(1日)×28日(4週)=537.6円

安っ!

でも、果たしてこのジェネリックに替えるだけのメリットがあるのか、
ほんとうにシグマートと同等の効き目があるのか
という事を考えると、
そうそう簡単に、シロウトがわかったような振りをして先生に、
「ジェネリック医薬品に替えてください」
とは言いづらいような気もしないではない。

立ち読みしたいくつかの医学書でも、
「シグマート」の名前はよく出てきているもので、
その使用はいたって基本的で、当たり前の処方である。

情報は、増えれば増えるほど混乱の元になる。
それがいいのか悪いのか。
賢い患者になる道は、遠い。

2007年2月2日金曜日

新さわのの退院日記

いきなりここから読み始める人は驚くと思いますが、
不肖さわの、昨年4月に引き続き、
今年1月7日より

また、入院しておりました!

しかも、約4週間。
いやぁ、今回は無駄に長かったですねぇ~。そ

んなわけで、ここをさかのぼって読んでいっていただけますと、
その入院の全貌が明らかに!
(は、なってないかもしれませんが)。

まー、読んでもなんの入院の心得も、
医療現場の裏事情も書いてませんが。

それにしても、なんで4週間弱も同じところにいて、
医者と恋の一つも芽生えないものか!
(↑ここはひとつ、レントゲン技師や臨床検査技師でも可)

なぜ、私の周りには愉快な既婚医者しか集まらんのか。
やっぱ、ドラマになるのは白血病か?
いや、心臓病だってけっこう泣かせるアイテムだぞ。
しかも、大学病院で部屋は個室! ときどき手術!(今回はナシ)

んもう、月9なシチュエーションじゃないっすか!

むしろ、王道すぎてひくぞ(←あー、ひいちゃうのね)。
ここはやはり、キャラクターの魅力不足っすか。
ていうか、ドラマのように
あんまりしょっちゅう病室に来ないのよね、お医者さん。
(毎日すげー忙しそうでした、みなさん)

ん? 

キャラクターの魅力不足で医者が病室に現れないのか!
その疑惑も濃厚。
(先生方すいません。
ベッドの上でパソコンに向かって華麗なブラインドタッチを駆使して(?)
実はこんな日記ばかり書いてました)

退院よか、点滴が外れたことに浮かれて、
家に帰ってから自分の体力を過信して
近所のスーパーや本屋を歩きまわっていたら、
その後、半日寝込んでおりました。

社会復帰まで、もう少し時間を下さい。

2007年2月1日木曜日

新さわのの入院日記 第26夜

もう、明日の早朝の採血結果が良かろうと悪かろうと、
明日は退院してしまう、
効きがまだ悪くても、あとは少しの間はA孫子先生の外来で、
ということで夕方にA孫子先生と話を進める。

そうしないと、このままずるずると2カ月くらいいてしまいそうで怖い。

帰るとなると、それはそれでこの不自由な生活にも一抹の愛着が伴う。
ゴージャス個室で、くつろぎながら最後の夜を過ごしていると、
(↑でも点滴はつけたまま)
M田先生とA孫子先生が回診にやってきた。

M田 「では、明日の採血検査がよければ退院ということで・・・」
さわの「悪くても明日退院でいいんですよね?(A孫子先生に)」
A孫子「まあ、外来で対応可能な範囲だろうと。今の感じだと(M田先生に)」
M田 「明日帰るのは、午後になってからにしますか?」
さわの「いえ、できれば昼には」
M田 「じゃあ、昼食食べてから・・・」
さわの「いや、昼食はいりません!」

本当に愛着がわいていたのだろうか。

さわの「教授回診(毎週金曜の午後2、3時くらい)の
     迷惑になる前には帰ります」
M田 「(笑)お気遣いありがとうございます」

さて、明日の午前中は外来受け持ち、
午後は出張でいないA孫子先生に、
退院前に一つだけどうしても聞いておきたかったことが。

さわの「先生、私より2、3歳くらい上ですか? お幾つ?」
A孫子「?」
さわの「いや、(メインの)主治医が同い年だったらショックだなと」
A孫子「39です」
さわの「39?! 5つも年上?!」
A孫子「よく歳より下に見られるんだけど実は」
さわの「いや、主治医が同い年じゃなくて、安心しました(笑)」

一番お世話になったA孫子先生、ありがとうございました。
左手の薬指に、そのまばゆいリングが光ってなかったら、
この4週間弱でなにかロマンスがあったかもしれないと思うと残念です。
(↑いや、きっとリングが光ってなくても何もなかったと思います)

次に入院するときには、ぜひ、主治医グループには
歳上で独身の主治医も追加で。
(それはそれで照れて困るような気もする)

その後、20時を過ぎてから廊下で掲示板を読んでいたら、
エレベーターをK林先生が降りてきた。

さわの「え!? 先生まだいたんですか?!」
K林 「今日は当直!」
さわの「・・・・・お疲れさまです~・・・」

ん?

これと全く同じ会話を、
ちょっと前にA孫子先生とも交わしたような気が。

K林先生は、昨日も20時過ぎまでナースステーションで仕事して
「じゃーねー、いずみちゃん。おっさき~!」
と言って帰っていった。

お医者さんは(CCUみたいな緊急性の高い患者を
擁するところの担当でなくても)
ほんとに朝早く(8時前くらいからちらほらと集まってくる)から
夜遅くまでいるなぁとしみじみ思った
今回の入院であった。