2011年8月19日金曜日

さわの的・逃避めし

自宅の家庭菜園で、母が作っているトマトが、
超ど素人なので、味がなくて美味しくない。
そして、不恰好。
そんなトマトが、ゴロゴロと収穫される。

こないだは、料理の本に載ってた、
肉じゃが味のトマト煮
(じゃがいもとにんじんの代わりに
トマト、そして豚肉と玉ねぎを、
しょうゆとみりんとだしで煮る)
というのを作った。
美味しかったけど、続くのもなんだし、
今日はスープでも作るかと思った。

しかし、冷蔵庫を見たら
ベーコンもソーセージもない。
豚肉はあったので、
んじゃまたトマト煮にするかなと、
トマトを湯剥きして玉ねぎとざくざく切って、
鍋に豚肉を入れて炒め始めたら、
やっぱりスープが食べたくなった。

ま、豚肉のスープでもこの際いいか、と思い、
たっぷり水を入れて材料を煮てアクをとりながら、
鶏がらスープの顆粒の入ったビンを見ると、
微妙に、粒が違う。
ふたを開けてにおいを嗅ぐと、
どうやらそれは、鶏がらスープの素の空き瓶に、
母がほんだしを入れた模様。

どーしよー、トマトとほんだし?!
こないだのトマト煮ならそれでもいいけど、
入れた水多すぎるし!
え、鶏がらスープの素、もう無かった???
ブイヨンの素は湿気ってくっついてて使えない!
と、大慌てで台所を探すと、
出てきたのは、カレールゥ。
ということで、


今日の晩ごはんは、トマトカレーです。


この行き当たりばったりさが、
私の人生のようでもあるなとつくづく思った。
ちなみに、鶏がらスープの素は、
カレールゥを鍋に入れた途端、
目の前に現れました。

はぐれても、さすらってもいなかったけど

最近色々とブログネタはあったのですが、
なんといってもここ最近の一番は、
「自宅が住居侵入と窃盗未遂被害に遭う」
でしょうか。
細かいことはおそらく書けないですけども。

でまあ、何があったかといいますとね、
私の家は、人通りの多い道路面からは
かなり外れた奥まったところにあり、
知らない人が家の前を歩いていると、
ものすごく目立つような所にあるのですが、
そんな環境にあるヒバの木で囲われた家の
「庭」に知らない人がいて、
雑草や大葉なんかをむしったりしてるんですよ。

ちょー怖いじゃないですか!

で、少し家の中から様子を見て、
相手が立ち去る風もないのを確認してから
恐る恐る、縁側のガラス戸を細く開け、
「・・・どなたですか?」
と、聞いてものらりくらりとかわされ、
立ち去る様子もない。
ガラス戸を閉めて、人生初110番通報ですよ。

こちらとしては、そういう毅然とした態度で、
「あなたのことを、疑わしいと思ってますよ」
という意思表示を、電話をしている姿で示し、
近所の交番のおまわりさんに来てもらって、
「めっ!」
って叱って連れてってもらえば
万事解決だったのですが、
通報している間に裏手の家から通りに逃げ出し、
そこで、通報によってパトロールをしていた
おまわりさんに職質されていました。

で、我が家に来てくれたおまわりさんに、
職質現場を遠くから姿の確認させられて、
あの人で間違いないと言った途端、
県警のおまわりさんと刑事さんが
うちに次から次へとやってきて、
我が家だけでも7、8人に増殖。

いやー、こっちがビビりましたよ!

え!? 自宅に怪しい人がいるって通報すると、
こんなにいっぱい刑事さんとかまで来るもんなの?
ごめんなさいっ、そんな大事のつもりじゃ・・・!
と、動揺していたら、どうやらその人が、
前の週に刑務所を出たばかりの、
窃盗、詐欺等何でもござれの
前科十数犯の超有名男だったらしく。

なんだろう、私のこの胡散臭い人を嗅ぎ分ける
動物的な勘。(そして冷酷な対応)

それにしても今回、警察のシステムって、
改めてしっかりしてるんだなあと思いました。
まずは、通報すると電話切らしてくれない。
自宅におまわりさんが到着するまで、
ずっと不審者の見た目についてとか、
今その人どこでどうしてるとか、
しゃべりつづけてなきゃなんない。

でも、話している間に我が家の地図を調べるらしく、
「あ、裏に逃げてったみたいでいなくなりました」
と答えると、
「裏の家というのは○○さんのお家ですか?」
「そう! そうです!!」
と、ものすごく安心させられます。

そして、おまわりさんが到着して安心して、
「この電話、もう切ってもいいですか?」
と訊くと「電話を代わってください」と言われ、
私の携帯で、おまわりさん同士が、
どこの所属の誰かを名乗りあっていました。

そうだよなー、おまわりさん来た!安心・・・
って思ってたら、犯人の一味だった
って事だって考えられなくないしなー。
行った行かないとかの水掛け論にもなるしなー。

そして、これまでの状況の説明を(おそらく)
電話で聞いていても、必ず来た人全員、
私に直接同じ事を何度も説明させます。

これは、救急車で運ばれたときも
同じ経験をするんだけど、
たぶん、緊急の状況で伝言ゲームになって
話が変化していくのを回避するため、
本人確認を怠らないという
ことなんだろうなあと、思う。

それをわかってないとたぶん、
「さっきも同じこと、
あの人にもあの人にも、言いましたっ!」
って、キレてしまいそうになるくらい、
何度も聞かれる。
(そのうち、こちらの説明も洗練されてくる)

そして不審者が職質を受けて
引きとめられている間、
我が家の庭では、数人の刑事さんが、
庭の状況や残された証拠、
職質状況などを細かく確認・検証し、
本署(もしくは職質しているおまわりさん?)
と電話で話もしながら、
何の容疑で逮捕(任意同行?)をするかの討論を、
短い時間でこなして、決まると
「よし、行くぞ!」という感じで
容疑者のところに向かうのが
なんかカッコいい。

たぶん、そこをきちんとやらないと、
あとで「不当逮捕」とか
「強制的にどうこう」とか、
色々言われちゃうから、
徹底するんだろうなあと思いました。

供述調書も4件くらい(かな?)とられたんですが、
私から見た容疑者の
見た目年齢、身長、服装、髪型等々、
答えても、一切相槌打ったり
反論したりしてくれない。

おそらくそこで相槌打ったりすると、
あとから「誘導尋問した」とかって
問題になるからかな、と思いました。

でも、質問の答えを一切教えてもらえず、
次から次へと訊かれっぱなしなので、
「・・・こっ、この答え(年齢とか)が知りたい!」
「刑事さんだって、あの人見てんじゃん。
ていうか、素性知ってるんだよね?!」
という心の叫びで身体中満たされます。

「ハンマーチャンス!」とか、
「ここで正解するとドン! 被害届内容倍」とか、
言ってくれないものだろうか。

それにしても刑事さんというのは、
ドラマなどと違って供述調書を数人で
黙々と書いてばかりいるものなのですね。
(被害届とか、通報時の状況とか、容疑者についてとか)

その場で訊いて、その場で文章に書き起こして、
その場で音読して、調書をとった人の承認を受け、
その場で押印をもらう。

もうね、よっぽどその辺の新聞記者より、
刑事さんのほうが言ったとおりの事書きますよ!

確かに、そこで不本意な内容だったって、
あとで裁判かなんかで言われちゃったら、
判決が覆っちゃうかもしれませんものね。
初めて警察のお世話になりましたが(?)、
いやー、県警さん、頼もしかったです。

「岩手の平和を守るため 行くぞ!
刑事(デカ)レンジャー“調書”!」(キラリーン)

という感じですな。
「調書レッド――被害届は俺に任せろ!」みたいな。
被害届の調書を書いてた警部補さんに、
「あ、私、同い年です!」と、
気さくで爽やかな笑顔で言われました。
(同い年で警部補か・・・)

どうか我が家の居間と縁側の汚さ、
そしてボサボサ髪とノーメイクとよれよれ服姿は
お願いだから記憶から抹消していただきたい。
(今思い出しても、泣きたい)

2011年8月17日水曜日

森の人

先日、「西日本は東北を侮蔑してさー」とか、
「文化が無いとか言いやがってさー」と、
ぐちぐちブログでくだを巻いていたら、
大阪出身で雫石在住の奥山さんが、
相変わらずこんなステキな文章で、
東北の文化について記していた。

「奥山淳志 いわての風土『森の人』」
http://blog.iwatesan.com/fudo/2011/08/16/%e6%a3%ae%e3%81%ae%e4%ba%ba/

あー、悔しいなあ。
悔しいけど、いい文章だなぁ。
こういう返しが美しいよなぁ。

2011年8月8日月曜日

華麗に切り返したい

ここ最近の、大臣(当時)の被災地での発言や、
「怪しいお米 セシウムさん」テロップ事件、
陸前高田の松の護摩木を京都に拒否された話、
問題が次から次へと続きすぎて
なんだかもうやってらんないわ、という感じで
珍しくブログで不快表明させていただく。

東北という、ある種長く歴史的に地域全体を
侮蔑(差別というよりは感覚としては
無意識に一段下に見ている「嘲笑」が近いか)
を受けてきた地域に生まれ、
個人としては、
心肺機能の身体障害者手帳を持つ身にとって、
侮蔑問題は、こう見えて意外に敏感な方なのだ。
(逆に、シリアスな差別問題(被差別とか在日問題とか)
については、東北人は全く詳しくないと思うけど)

と、同時に、
真っ直ぐすぎる怒りの表現だけというのも、
またこれも田舎者的な野暮な気もするのである。
(落語に登場する、田舎者の東北人みたいな)
いや、怒ってんだけど。
この辺はジレンマでもあるんだけど。

なんというか、うまくおちょくった返しが
無いもんかとも思うのである。
ブラマヨの小杉や、
フットボールアワーの後藤みたいな
鋭いツッコミセンスで
相手を笑い飛ばしてやりたい。

言っちゃった(やっちゃった)方が、
思わず赤面して顔から火が出るような
恥ずかしい思いをする、
そして周りは思わず笑ってしまうような、
粋な切り返しで対抗できないかを、
ここ数日、悶々と考えているのだが、
とみに、吉本的な笑いのDNAについてだけは
東北は歴史的に残念ながら不足しているのが悔しい。
ひとつ、こちらの地元局で

名古屋名産プレゼント
「ビミョーな名物 ういろうさん」
「うどんの方が欲しかった きしめんさん」

という、ダミーテロップを23秒間、
東北6県のフジ系列局の地元テレビ番組で流したあと、
「名古屋の皆さまごめんなさい」
とアナウンサーのお詫びを、東北6県だけで放送する。
てのも考えたのだけど、ネタとしてまだ弱いな。

あと、ぶぶ漬けで わんこそばならぬ
「わんこぶぶ漬け」大会を開き、
「ぶぶ漬け食べていきませんか?」といって、
「はい じゃんじゃん」とわんこ形式で
たらふくぶぶ漬け食わせるってのもどうっすか。

ああだめだ、まだ笑いの神が降りてこないな。
(↑ そもそも、笑いの神がついていたのか私に?)

ていうかまあ、そもそも京都に
特に憧れや思い入れの無い私には、
なぜそこまでして京都で
陸前高田の大事な松を燃やすことを
有難がる発想なのかかがよくわからない。
(しかも、こっちで無理にと頼んだんじゃなくて、
どっかの大分の人の提案でやったことらしいし)
別に、世界遺産・平泉で焚けばいいじゃんねぇ。

私が昔ちょっとだけ習ってた書道の大家の先生は、
事あるごとに、いかに自分が苦労をして
書道を学んできたかを切々と語る人だったが、
関西方面に書の修行に行ってた若かりしとき、
自分がどこから来たか話すと、

「へぇ、東京より東にも文化ってありますねんなぁ」

と、真顔で言われたというような、
50年くらい前の事を、
ついこないだ言われたかのような感情をこめて
何度も語っていた(そして憶えている私)。

また、岩手出身の平民宰相・原敬は、
自分の号を「一山」と名乗っていたが、
その由来は「白河以北一山百文」
(白河より北は一山100文の価値しかない)
と薩長に嘲笑されていたことへの反発から、
と、子供の頃に歴史の本で学んでいたことを
覚えているくらい、私ってば
こういうことに対しては
けっこう粘着気質なの。ごめんね。

この手の話を始めると
いろんなネタや思いがあって
すごく長くなるのですが、
(未だに私は、某酒造メーカーの酒は
時々思い出して地味に一人不買運動をしている)

まあ、アレですよ、
すこーんと、笑い飛ばしてやりたいよねー。
いろんなことを。